猫のヘルスケア

ワクチン接種の頻度 海外では3年ごと

投稿日:2017年5月7日 更新日:

世界小動物獣医師会(WSAVA)は「科学的根拠に基づく、世界的に適用可能なガイドライン(指針)」を発表しています。2015年に改訂された指針では、1歳齢以降のワクチン接種は3年以上間隔をあけること、としているのをご存知ですか?

分かりにくいワクチンに関するルール

犬は義務、猫は飼い主の判断に任せられている

犬のワクチン接種は飼い主の義務として定められていますが、猫は義務化されていません。ですが、様々な感染症を防ぐためにワクチンは非常に有効ですので、接種することが望ましいとされています。

感染力が強く命に関わる病気もありますから、まったく接種しないというのはかなりリスクが高いと思います。

コアワクチンとノンコアワクチン

ワクチンには二種類あります。すべての動物に接種すべきコアワクチンと、感染のリスクに応じて接種するノンコアワクチンです。

猫のコアワクチンが対象とする病気には、猫汎白血球減少症(猫パルボウィルス感染症)、猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウィルス感染症)、猫カリシウィルス感染症があります。三種混合ワクチンでカバーされています。

ノンコアワクチンは、猫白血病ウィルス、猫免疫不全ウィルス(猫エイズ)などがあります。

日本では今も毎年接種を推奨

多くの動物病院で、毎年接種するよう呼びかけています。待合室に貼ってあるポスターを目にしたことがある人も多いのでは。

またペット関連の施設を利用する場合などでも、その年のワクチン接種済み証明書をみせるよう求められることもありますね。これは他の猫との接触によって病気が蔓延するのを防ぐためと思われます。

その根拠

ではその毎年接種するということの根拠は何かということですが、かつて製薬会社がワクチンの使用説明書に「1年ごとに接種」と書いていたことが原因のようです。

農林水産省によると、2008年以降はその記載はなくなり、現在日本で承認されているワクチンにこの説明はないとのことです。
つまり、過去の説明書に書かれていたことが毎年接種の根拠になっているということのようです。

近年推奨されていること

2015年発表の指針によると

全ての子猫はコアワクチンの接種を三回受けるべきであるといっています。生後8~9週齢で一回目の接種、その3~4週後に二回目の接種をする。14~16週齢またはそれ以降に三回目の接種を行う。

そして三回受けた後は、生後一年以内に成猫としての一回目の接種を受けます。以後は3年以上の間隔をあけて接種することとなっています。

コアワクチンに応答した猫は、再接種を行わなくても何年も免疫を維持する(免疫記憶)そうです。ただしこの考え方は、不活化ワクチンやノンコアワクチンには当てはまらないので注意が必要です。

副作用のリスク

なぜ間隔をあけることが望ましいのか?それは副作用を起こす可能性が高いからです。2007年の日本小動物獣医師会の調査では、ワクチンを接種した犬の200匹に1頭の割合で副作用を起こしていたそうです。重篤な症状もあり、3万頭に1頭が死んでいるそうです。これはかなり高い確率です。

北里大の宝達努教授の見解

宝達(ほうたつ)教授は、全国の大学で使用される獣医内科学の教科書でワクチン分野の執筆を担当されている方です。教授によると近年の複数の研究で、コアワクチンによる免疫は、少なくとも3年は持続することが証明されているとのことです。そのため日本でも、コアワクチンの接種は原則3年以上間隔をあけることが望ましいとしています。

個体差もある

しかし生活環境や猫の体質などによってもどれくらい免疫が持続するかが異なるため、注意が必要なようです。前述の指針でも、屋外と室内を行き来する猫は、室内のみで生活する猫より感染リスクが高いとしています。

結局どうする?

副作用のリスクは減らしたい。でも感染症にもかかりたくない。
これは猫のみならず、人間にとっても同じ問題です。どちらをとっても100%安全とは言えないのです。

問題を知っておくことが大事

何も知らずに、言われたことを鵜呑みにして行動するということは避けたいものです。万一何か問題が起きたときに「知らなかった」と後悔しないためにも、情報収集をするのは大事だと思います。

それが自分の家族を出来るだけ危険にさらさない手段のひとつなのではないかと思います。

一度定着した常識は取り消すのに時間がかかる

それから、普通かどうかを判断の基準にしないことも大切かと。
日本人は特に和を大切にしますし、常識と異なる考え方はなかなか受け入れられない側面があるように思います。

ですが様々な研究もおこなわれ、医学は日々進歩しています。何が正解かは分かりませんが、自分がいいと思うことを大切にする勇気というのも必要なのではないかと思う次第です。

皆さまの家族が幸せでありますように!

-猫のヘルスケア

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